この記事を読んで分かること 自然葬の種類について 自然葬のメリット・デメリット |
目次
自然葬には大きく分けて2種類ある
自然葬とは、墓石を作ってお墓の下に故人を埋葬するのではなく、海や山といった大いなる自然の中に遺骨や遺灰を還していく葬送法のことです。
「自然の中に還りたい」「お墓の費用を少しでも抑えたい」という想いを持った方に人気で、環境へ優しいことから社会的に注目を集めています。
そんな自然葬ですが、大きく分けて「散骨」と「樹木葬」の2種類に分けることができます。
自然葬の種類①散骨
散骨とは、火葬後に残った故人の遺灰を粉末状に砕いて遺灰とし、それを自然の中に撒く行為のことです。
遺灰を海に撒く場合は「海洋散骨」、山や森に撒く場合は「山林散骨」、空に撒く場合は「空中散骨」、宇宙に撒く場合は「宇宙葬」とそれぞれ呼ばれます。
自然葬の種類②樹木葬
樹木葬とは、墓石を建てて故人の埋葬をするのではなく、樹木を墓標にして故人の遺骨や遺灰を埋葬する葬送法のことです。
「お墓」なのか「散骨」なのか混同される方も多いですが、墓標が墓石ではなく樹木であるだけで、実態は「お墓」にあたります。
樹木葬は数ある自然葬の中で唯一お墓を作る形式をとっており、散骨と違ってお参り先があるという特徴があります。
「狭義の自然葬」と「広義の自然葬」について
ほとんどの自然葬が散骨形式を取るため、「自然葬=散骨」と捉える人も少なくありません。
これは間違った解釈ではなく、実際遺灰を直接自然に撒くということで、「自然の中に故人を還す」という全ての自然葬に共通する要素も満たしています。
しかし、自然葬には樹木葬や火葬、土葬、風葬、風葬、鳥葬、水葬など、日本で昔から行われてきた散骨以外の葬送法も含まれるのではないかという声もあります。
よって、現在では自然葬を狭義で見たときには「散骨」、広義で見たときには「それ以外の自然に還す葬送法全般」とされています。
狭義の自然葬の種類一覧
狭義の自然葬とはつまり「散骨」のことです。
散骨は遺灰をどこに撒くのかという点で分類することができ、様々な種類があります。
ここでは、それぞれの特徴についてまとめていきます。
種類① 海の自然葬
海の自然葬としては海洋散骨が挙げられます。
海洋散骨とは、遺灰を海に撒くやり方のことです。
船舶を用いて沖で撒くやり方と、軽飛行機セスナを用いて空中から撒くやり方の2種類があります。
樹木葬のことを散骨と勘違いしている人が多いため正しく認識はされていませんが、日本人が行う散骨で最も多いのは「海洋散骨」です。
アメリカの映画などでは恋人の遺灰を沿岸から撒くシーンなどもあり、人によっては情緒的でロマンあふれるお別れを演出できるかもしれません。
■ メリット
- 壮大な海全体を大切な人のお墓とすることができる
- お墓を作らないので、通常より費用が100万円ほど安くなる
- 日本で最も行われている散骨方法なので、事例や実績が豊富
■ デメリット
- お墓を作らないので、人によってはどこにお参りすればいいのかと悩むこともある
種類② 山や森の自然葬
山や森の自然葬としては、山林散骨が挙げられます。
山林散骨とは、遺灰を山や森の中に撒くやり方のことです。
一見すると樹木葬と同じに見えますが、樹木葬が樹木の下に故人を埋葬するのに対して、山林散骨は山や森でそのまま遺灰を撒くという点で違いがあります。
日本ではまだあまりメジャーではないですが、環境へ優しい点や自然葬のイメージにぴったりな点があることから、今後認知が広がっていくことが予想されます。
■ メリット
- 「自然へ還す」という故人の想いを叶えることができる
- 環境への悪影響がない
- お墓を作らないので、通常より費用が100万円ほど安くなる
■ デメリット
- お墓を作らないので、人によってはどこにお参りすればいいのかと悩むこともある
種類③ 空の自然葬
空の自然葬としては空中散骨が挙げられます。
空中散骨とは、遺灰を空から散布するやり方のことです。
ヘリコプターや軽飛行機セスナを用いた一般的な「空中散骨」と、バルーンを用いた「バルーン葬」の2種類があります。
空中で散布された遺灰を偏西風によって国内に散らばるので、「旅好きな人」「日本全体をお墓にしたい人」などには向いているかもしれません。
■ メリット
- 遺灰は偏西風によって非常に広い範囲に散布されるため、日本全体をお墓にすることができる
- 空全体をお墓にするとも考えられるため、いつでも空に向かって手を合わせてお参りすることができる
- お墓を作らないので、通常より費用が100万円ほど安くなる
■ デメリット
- お墓を作らないので、人によってはどこにお参りすればいいのかと悩むこともある
広義の自然葬の種類一覧
自然葬は狭義で見ると散骨のことを指していました。
しかし、自然葬は広義には、散骨以外の「自然へ還す」ありとあらゆる葬送法を含みます。
ここでは、広義の自然葬の種類についてまとめていきます。
種類① 樹木葬
散骨以外の樹木葬としてまず最初に挙げられるのは、なんといっても樹木葬でしょう。
先述した通り、樹木葬とはお墓の一種です。
しかし、墓標を石材を使った墓石とするのではなく、樹木とするという点に今までのお墓との違いがあります。
自然葬の中では最も有名であり、最近ではバラの木や桜の木をシンボルとした樹木葬墓地もたくさん作られています。
墓地を作る過程で新しい樹木や花が植えられていくため、自然活動を積極的に後押ししている点も高く評価されています。
樹木葬は、間違いなく今後一番増える自然葬です。
■ メリット
- 他の自然葬と違ってお墓があるため、お参り先に困らない
- 環境へ優しいので、社会的にも好意的に見られている
- 「自然に還りたい」という故人の想いを叶えることができる
- お墓を作らないので、通常より費用が100万円ほど安くなる
■ デメリット
- 最初の10年間〜50年間は個別のお墓だが、それ以降は他の人の遺灰と合祀で供養される可能性がある
種類② 土葬
土葬とは、遺体を火葬せずにそのまま埋葬する方法のことです。
日本の火葬率が90%を超えているため、現在ではほとんど行われていません。
いずれは、完全に無くなっていく葬送法であると思われます。
種類③ 水葬
水葬とは、遺体を火葬せずにそのまま海や川に沈める方法のことです。
戦時中に洋上で無くなった方を供養するために行われていました。
現在の日本では、刑法190条の死体遺棄罪に該当するとされているため、今後海の自然葬としては海洋散骨に取って代わられるでしょう。
【まとめ】自然葬の種類について
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