「海洋散骨とはなに?」 「海洋散骨の口コミ・評判について知りたい」 この記事では、日本で最も有名な散骨である「海洋散骨」について徹底的にまとめていきます。 |
目次
海洋散骨とは
海洋散骨とは、船舶やヘリコプター・軽飛行機セスナを用いて、故人の遺骨を海上に散布する方法のことです。
人間はもともと自然から生まれたのだから、亡くなった後にはまた自然に還りたい。
価値観の多様化した現代ではこのような想いを持つ人が増え、お墓以外にも自然への散骨という葬り方を選ぶ人が増えてきました。
海洋散骨は「自然へ還す」という特徴を持つ自然葬の一種であり、また数ある散骨の種類の一つでもあります。
海洋散骨の認知度は日本人の93%!?
一般社団法人日本海洋散骨協会が平成27年9月に発表した「海洋散骨に関するアンケート調査報告書」によると、海洋散骨について「知っている」と回答した人は68%、聞いたことはあると回答した人は25%でした。
逆に海洋散骨について「ほとんど知らない」と回答した人はたったの7%しかいませんでした。
「知っている」「聞いたことがある」と回答した人を合計すると93%にも及ぶため、日本人の9割はTV・雑誌・Webサイトなど、何らかの経緯で海洋散骨について認知していたことになります。
表①→海洋散骨の認知度は日本人の93%!
しかし、海洋散骨の希望者はたったの1割!
「海洋散骨に関するアンケート調査報告書|一般社団法人日本海洋散骨協会(平成27年9月)」によると、「あなたは将来ご自身の遺骨を海に散骨してもらうことを希望しますか?」という質問に対して、「希望する」と回答した人は11%でした。
つまり、社会的には広く認知されてはいるが、実際に海洋散骨を強く希望している人はまだまだ少ないということですね。
そして、同上のアンケートでは「わからない」と回答した人が39%もいますが、この人たちは海洋散骨の魅力についてあまり知らないがゆえに、「わからない」と回答したのではないかと思われます。
今後、海洋散骨の実績が増えて、口コミサイトなどで実際の利用者の声が充実していけば、海洋散骨の希望者は増えていくでしょう。
表②→海洋散骨の希望者はまだまだ1割にすぎない!
なぜ今、海洋散骨が注目されている?
先述した通り、海洋散骨の認知度はすでに日本人の9割近くにまで上ります。
なぜ、こんなにも海洋散骨は注目されているのでしょうか?
それには様々な理由がありますが、中でも特に重要なものを3つピックアップしました。
理由①お墓の承継問題
海洋散骨を含む散骨や樹木葬のような自然葬は、従来の墓石の下に故人の遺骨や遺灰を埋葬するスタイルとは全く別なものです。
これらの新しい葬送法が広まった最大の理由としては、お墓を管理する人手が圧倒的に不足していることが挙げられます。
近年では、独身の方や夫婦でも子供のいない方が増えており、地方の出身者は大学進学や就職を機に地元を離れてしまいます。
よって、特に地方で深刻なのですが、「お墓の跡を継ぐ子供がいない」という現象が起きています。
散骨の場合、お墓を作る必要がないため承継の問題が発生しませんし、自然葬の代表格である樹木葬も永代供養墓への埋葬なので、管理は墓地や霊園がやってくれます。
このように、海洋散骨が社会的に注目されているのは、「お墓の承継問題で困っている人」にとっての解決策となるからという理由があります。
理由②価値観の多様化
従来までの価値観では、亡くなった人は代々続いている家族のお墓に埋葬することが当たり前でした。
しかし、現在では「お墓という区画に縛られたくない」「子供にお墓の管理をさせたくない」といった想いを持つ人が増えており、死後にお墓に入らないことを希望する人が珍しくありません。
また、最近流行っている終活ブームでは、「お墓はいらないから、遺灰は散骨してほしい」「樹木葬にしてほしい」といった希望を故人が生前にエンディングノートに書くこともあります。
「昔は死後のことを生前に考えておくなんて不吉だ」とけなされた行為が、現在では「終活」として認められているなど、社会全体で価値観が多様化しています。
そして、このような価値観の多様化が海洋散骨のような新しい葬送法を受け入れる土壌になったことは間違いありません。
理由③高額費用への抵抗感
身内の誰かが亡くなると、まず喪主が葬儀を執り行ってその後お墓を購入することになりますが、この一連の流れでかかる高額費用へ抵抗感を示す人が増えています。
「第11回『葬儀についてのアンケート調査』報告書|日本消費者協会(2017年)」によると、葬儀費用の平均は195.7万円です。
また、「第9回 お墓の消費者全国実態調査|いいお墓(2018年)」によると、一般墓の平均購入額は174.1万円となっています。
つまり、葬儀費用とお墓の購入代金を合わせると、合計で400万円近くもの費用がかかってしまうのです。
もちろん、葬儀の際には会葬者から香典をいただくので幾ばくかのマイナスはありますが、それでも一般の中流家庭の人にとってこの支出は負担が大きすぎます。
従来の「亡くなった人はお墓に埋葬する」といった価値観に縛られなくなった今、「お墓の費用をできるだけおさえたい」と思う人が増えるのは当然のことです。
まとめると、お墓を作ることが当たり前でなくなったことで、お金をできるだけ節約したい人が「お墓を建てない」海洋散骨へ興味を示しているということですね。
海洋散骨の評判は?口コミや意見をまとめてみた
「海洋散骨に関するアンケート調査報告書|一般社団法人日本海洋散骨協会(平成27年9月)」によると、海洋散骨について認知していた人は93%でしたが、実際に希望しているのは11%だけでした。
知っている人は多いのに希望者が少ないのは、「海洋散骨は本当にいい最期の迎え方なのか?」について気になる人が多いからでしょう。
実際、Yahoo!知恵袋にも海洋散骨について意見を求める声が多数見られました。
そこで、ここからは気になる海洋散骨の口コミ・評判についてまとめていきます。
■ 海洋散骨について意見を求める声①
海洋散骨とか、どう思いますか?
出典:Yahoo!知恵袋
■ 海洋散骨について意見を求める声②
海洋散骨を考えています。皆さんはどう思われますか?
出典:Yahoo!知恵袋
海洋散骨の口コミ・評判一覧
口コミを集めてみると、海洋散骨については賛否両論となりました。
「お墓を作るべきかどうか」「散骨先は海なのか山なのか」など、論点が豊富であるがゆえに意見も割れてしまっているということですね。
■ 肯定的な口コミ
私は良いと思います。自然に帰るのが一番かと…
出典:Yahoo!知恵袋
私は大の旅好きなので、「お墓に閉じ込められるより、キレイな海に散骨してもらいたい。」
出典:Yahoo!知恵袋
■ 否定的な口コミ
お墓を造らないという考えは賛成ですが、遺骨の処理にこだわらせるという点で、葬式産業の商売に踊らされていると感じます。
海洋散骨は、葬式産業の商売に過ぎません。
出典:Yahoo!知恵袋
海洋散骨に向いている人とは?
海洋散骨については、「お墓を作らないとどこにお参りしていいのか分からなくなる」「海は暗いし怖いから嫌だ」といった否定的な意見を持っている人もいます。
では逆に、海洋散骨をすることに向いている人とはどんな人なのでしょうか?
以下に海洋散骨をすることに向いている人の特徴をまとめました。
特徴①お墓に費用をかけたくないと思っている
お墓の費用をできるだけ抑えたいと思っている人は、海洋散骨に向いています。
なぜなら、海洋散骨は墓標となる墓石を建てる必要がないため、石材といった材料代や工事の費用がかからないからです。
墓石の合計費用は大体100万円ほどと言われていますので、海洋散骨ならばその分の費用を抑えることができます。
特徴②自然へ還りたいという気持ちがある
大いなる自然の中で安らかに眠りたい。
このような想いを持っている人にも海洋散骨は向いています。
お墓の中で眠るということは、ある意味で一生その区画に縛られ、家族全員で窮屈に過ごすことと一緒です。
死後まで親族と一緒にいたくない人やもっと雄大で自由な環境で眠りたいと思っている人には、海洋散骨はおすすめの葬送法でしょう。
特徴③旅好き、または海が好き
海洋散骨で海に撒かれた遺灰は、海水とともに世界中を巡り続けます。
生前旅が大好きで、海外でバックパッカーなどをしていた方からすると、海洋散骨にはたまらない魅力を感じるのではないでしょうか。
また、漁師の方や釣り愛好家のように、人生を海とともに生きてきた人は最期も海で迎えたいと思うことでしょう。
特徴④壮大な海全体をお墓にしたいと思っている
海洋散骨はある意味で、海全体をお墓にするサービスともいえます。
よって、お墓のように明確なシンボルがないだけで、あなたの大切な人は海で安らかに眠っていることになるのです。
海沿いに家がある方は海に向かってベランダからお参りをすることもできますし、毎年のお墓参りの際にもわざわざ墓地や霊園に行かずにすみます。
「他の人とは一風変わった最期を迎えたい方」「人並み外れたロマンな気持ちを大事にしたい方」などにも、海洋散骨はおすすめです。
【まとめ】海洋散骨について
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