日本消費者協会が2017年に行った「第11回『葬儀についてのアンケート調査』報告書」によると、葬儀費用の全国平均は195.7万円です。 これだけの金額を全額負担するのは、できれば避けたいですよね。 今回は、あなたの「葬儀費用の負担」を少しでも減らすために、知っておきたいお役立ち情報を徹底的にご紹介します。 |
目次
葬儀費用は誰が負担するのか?
そもそも葬儀費用は誰が負担するのでしょうか?
候補としては、①被相続人②喪主③相続人の3つがあり、それぞれを裏付ける判例が以下のようにあります。
葬儀費用は誰が負担する? | 判例(左の根拠) |
①被相続人(亡くなった身内の人) | 東京家審昭和33年7月4日家月10巻8号36頁など |
②喪主(葬儀を執り行う人) | 【最有力説】名古屋高裁平成24年3月29日判決など
(以下、「名古屋判例」) |
③相続人(故人の財産を相続する人) | 東京高決昭和30年9月5日家月7巻11号57頁など |
判例より、葬儀費用は「喪主が負担するべき」という考えが有力です。
では、喪主には誰がなるのか?
「喪主の取り決め」に関する法律・条例はありませんが、慣習上、故人との血縁関係が深いほど務める可能性は高くなります。
喪主のなりやすさ | 故人との関係 |
1番 | 配偶者 |
2番 | 長男 |
3番 | 次男以降直系の男子 |
4番 | 長女 |
5番 | 故人の両親 |
6番 | 故人の兄弟姉妹 |
「第11回『葬儀についてのアンケート調査』報告書|日本消費者協会」によると、「葬儀を経験して困ったこと」の3位は「葬儀の手順が分からない」(21.8%)でした。
喪主は葬儀の費用・手続きなど、考えなくてはならないことがたくさんあるということですね。
喪主は葬儀費用を「全額」負担しなくてもいい
名古屋判例では「他の相続人との間に合意がある場合は、その相続人も負担する」と例外的に主張しています。
「名古屋高裁平成24年3月29日判決」の法的解釈まとめ
|
実は「葬儀費用を誰が払うのか」に関しては、法律で明文化されていません。
ですので、「必ずしも喪主が支払わなければいけない」というわけではないということを抑えておいてください。
あなたが葬儀費用を支払う機会が3年以内に来るかもしれない
「第11回『葬儀についてのアンケート調査』報告書|日本消費者協会」によると、「最近3年間の身内の葬儀経験の有無」について「あった」と回答したのは、1875名中811名(43.3%)にも上りました。
【出典】第11回『葬儀についてのアンケート調査』報告書|日本消費者協会
このことから、直近3年以内に身内の葬儀をする可能性は十分あるので、あらかじめ葬儀費用について他の相続人としっかり話し合いをしておくべきだということが分かります。
これは、あなたが喪主ではなく、相続人のうちの1人にすぎない場合も同じです。
ここまでの情報を一度まとめておきます。
【葬儀費用の負担について】〜まとめ〜
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葬儀費用の「本当」の負担額はいくらなのか?
「葬儀費用の負担額がいくらになるのか」については、あなたがどんな形式を選ぶかで決まります。
葬儀形式 | 概要 | 費用について |
一般葬 | 通夜・告別式を行う | 高い |
家族葬 | 参列者を減らして、親しい身内だけで行う | 安い |
火葬式(直葬) | 通夜・告別式を行わないで、火葬だけを行う | すごく安い |
樹木葬 | お墓を作らず、自然に還すかたちで埋葬する | 安い |
宇宙葬 | 遺骨をロケットに乗せて宇宙に埋葬する | すごく高い |
上記の表のように、葬儀形式によって
|
が変わってきてしまいます。
また、多くの場合、葬儀費用の負担額は
葬儀費用−(頂いた香典の金額+公的な援助)=負担額 ※葬儀費用=葬儀一式費用+飲食接待費+寺院費用(詳しく知りたい方はこちらの記事をご覧ください) ※相続財産から支払う場合は、負担額からさらにマイナスされます。 |
で決まります。
ここからは、「①葬儀費用・②頂いた香典・③公的な援助」の金額についてまとめていきます。
①葬儀費用はいくらなのか?
料金プランをきちんと明記している葬儀社の費用をまとめてみました。
また、以下の2社は比較的安いプランを提供する優良葬儀社としても有名です。
葬儀社 | 葬儀費用 | ||
一般葬 | 家族葬 | 火葬式 | |
小さなお葬式 | 638,000円(税込) | 488,000円(税込) | 188,000円(税込) |
よりそうお葬式 | 498,000円(税込) | 398,000円(税込) | 148,000円(税込) |
平均費用(葬儀一式費用+飲食接待費) | 568,000円 | 443,000円 | 168,000円 |
ここで1つ注意しなくてはいけないのが、葬儀社の料金プランには「寺院費用(お布施代)」が含まれていないということです。
「第11回『葬儀についてのアンケート調査』報告書|日本消費者協会」によると、お布施代の平均は47.3万円です。
よって、実際にかかる費用はこのくらいと考えられます。
一般葬 | 家族葬 | 火葬式 | |
葬儀費用(寺院費用込み) | 1,041,000円 | 916,000円 | 641,000円 |
②参列者から頂く香典の金額はいくらなのか?
鎌倉新書が2017年に行った第3回「お葬式に関する全国調査」によると、20万円未満が27%と最も多かったです。
2014年よりも2%上がっており、通夜・告別式などで参列者から頂く香典の金額は年々減っているようです。
③公的な援助はどのくらいなのか?
故人が「国民健康保険・後期高齢者医療制度」に加入していた場合は「葬祭費3〜7万円」、「健康保険」に加入していた場合は「埋葬料5万円」支払われます。
【埋葬料】
被保険者が業務外の事由により亡くなった場合、亡くなった被保険者により生計を維持されて、埋葬を行う方に「埋葬料」として5万円が支給されます。
埋葬料を受けられる方がいない場合は、実際に埋葬を行った方に、埋葬料(5万円)の範囲内で実際に埋葬に要した費用が「埋葬費」として支給されます。
【葬祭費】
葬祭費の場合、支給額は市区町村によって3〜7万円、申請先は故人が住んでいた市区町村になります。
【出典】大切な身内が亡くなったあとの手続きの本|エイ出版社 (2017/12/29)
なお、いずれも支払先は「葬儀を執り行った喪主」や「埋葬を行った人」です。
葬儀費用の負担額を一発チェックしよう!形式ごとに比較できます
ここまでの情報をまとめると、以下のようになります。
葬儀形式 | 費用 | 収入 | 合計 | |
①葬儀費用(寺院費用込み) | ②頂いた香典の金額 | ③公的援助(健康保険など) | ④実質負担額
『①−(②+③)』 |
|
一般葬 | 1,041,000円 | 20万円未満 | 約50,000円 | 791,000円 |
家族葬 | 916,000円 | 20万円未満 | 約50,000円 | 666,000円 |
火葬式 | 641,000円 | 20万円未満 | 約50,000円 | 391,000円 |
※②を計算では20万円としています。
葬儀形式によって、費用がだいぶ変わってくることが分かりますね。
「葬儀費用の全国平均は195.7万円」と掲載しているサイトもありますが、一般葬で参列者が100人を超えるようなケースでもない限り、そこまで費用はかからないでしょう。
必見!葬儀費用の負担を減らす4つの方法
香典や公的な援助を踏まえても、葬儀費用はやはり高いと言わざるを得ません。
そこで、「葬儀費用の負担」を減らせる方法についてまとめてみました。
故人の相続財産から支払う
旭化成ホームズ株式会社が平成25年に実施した「親と子の財産相続に関する意識調査」によると、65歳以上シニアが所有する、相続対象の資産総額は平均で約4743.3万円です。
つまり、相続財産から支払えば喪主であっても貯蓄を崩さなくて済むということですね。
年金制度を利用する
遺族厚生年金・寡婦年金・死亡一時金など、申請すれば支給される年金制度がたくさんあります。
例えば、自営業者の遺族がもらえる遺族基礎年金の場合、最低でも77万9300円が支給されます。
互助会に入会する
月々1,500円からの積み立てで急な出費に対応できます。
会員になることで、一般の利用者より30%~50%も葬儀費用が節約できます。
サービス名 | 概要 |
ごじょクル | ①月々1,500円の掛け金で、葬儀費用を30〜50%抑えられる
②電話一本で対応可 ③家族のどなたでも利用可 |
複数の葬儀社を比較する
結論から申しますと、葬儀費用を最も減らせる方法は「料金の安い葬儀社」に葬儀を依頼することです。
『第3回「お葬式に関する全国調査」|鎌倉新書』によると、親しい身内のみで行えて、費用も抑えられる「家族葬」を行う人の割合はすでに4割弱に上るそうです。
【出典】第3回「お葬式に関する全国調査」|鎌倉新書
しかし、ただ安いだけの悪質葬儀社に依頼しては、大切な身内を見送る葬儀が台無しになってしまいます。
そこで、業界でも頭角を現してきている「格安・優良」な葬儀社を3つご紹介します。
「第11回『葬儀についてのアンケート調査』報告書|日本消費者協会」によると、葬儀社に見積書の提示を願い出た人の割合は61.7%にも上ります。
まずは、各葬儀社に資料請求を行なって、葬儀費用を比較することから始めてみてください。
おすすめの葬儀社2選!
葬儀社 | 料金システム | |
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